NY市への観光客20年で90%増加 従事者と収入増加、インフラ整備が課題

 【7日付メトロニューヨーク】昨年ニューヨーク市を訪れた観光客は6280万人で、1998年の3310万人に比べて90%増加していたことが分かった。都市政策を提言する非営利団体、センター・フォー・アン・アーバン・フューチャーが7日、観光客が市にもたらす経済的恩恵についての調査結果を発表し、明らかにした。
 調査によると、観光客の増加に伴いレストランやホテルなどで働く観光関連業従事者も29万1084人まで増加、市内の金融関連業従事者の26万8200人をしのぐ。観光関連業従事者の91%の学歴は高卒だといい、調査は「大卒でなくても中間層の収入を得られるのは重要だ」と分析している。
 観光客増加による経済的恩恵は市内全域でみられる。ブルックリン区のプロスペクトパークやコブルヒルでは、レストランの収入の14%が観光客によるものだった。クイーンズ区のジャクソンハイツやエルムハーストでは小売業の売上の6%、年額230万ドル(約2億5230万円)を観光客が占めている。
 一方で、同調査は市が観光客の受入れに際して「適切な計画を立てていない」と指摘。空港の混雑や地下鉄の遅れなどインフラに問題があり、観光客が不愉快な思いをしたり、敬遠したりする恐れがあると警告している。

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