「静か」なレストラン探せるアプリ 耳の不自由な男性が開発、利用者増加

 【7日付メトロニューヨーク】レストランやバーなどの騒音レベルを測定し、利用者が提出したデータから「静か」な飲食店を探せる無料アプリ「サウンドプリント」が先月公開された。提出データが2万5000を超え、ニューヨーク市内を中心に利用者が増えている。
 アプリはスマートフォンなどで騒音レベルを測定し、デシベルで表示。70デシベル以下の場所を「静か」と定義し、利用者が測定した騒音データを集約、「静か」な飲食店を地図上で探せるようにした。
 開発したのは耳の不自由なグレゴリー・スコットさん。左耳は完全に聞こえず、右耳もかすかな音しか聞こえないという。静かなレストランを探して出掛けても騒々しいことが多かったといい、騒音計では予想よりかなり高い値が出ていたという。「音について苦情を言うのはためらわれる。このアプリを使って、店が音量を下げるきっかけになれば」と話した。
 飲食店を経営する事業主も注目する。マンハッタン区チェルシーのイタリア料理店、ぺぺ・ジャロは、アプリで騒音レベルが高いと判断されたため、壁材を防音性の高いものに変えたという。同店総支配人のアベル・ラミレスさんは「騒音については気が回らなかった。壁材を変えてから客が増えた」と話した。

騒音レベル測定画面。サウンドプリントの公式ホームページ(www.soundprint.co)より

騒音レベル測定画面。サウンドプリントの公式ホームページ(www.soundprint.co)より