警官暴行で和解金100万ドル ガラスに叩き付けられ重傷の少年

 【11日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】NYPDの警官から暴行を受け重傷を負い、賠償金を求め市を提訴していたブロンクス区のハビエル・ペインさん(19)とその家族が9日、約100万ドルでニューヨーク市と和解した。
 2014年5月、当時14歳だったペインさんは同区アーサーアベニューにあるコンビニエンスストアで友人と2人で39歳の男性を殴ったとして逮捕された。手錠を掛けられたペインさんに侮辱されたことに腹を立てたNYPDのエリーザー・パボン巡査部長=当時=は、ペインさんを同店の正面ガラスに叩き付けた。ペインさんの体はガラスを突き破り、肺が破裂し、心臓にガラスの破片が突き刺さる重傷を負った。ペインさんの母親は、警官による過度の暴力行使および同店による過失を主張し、市を提訴した。
 当時のNYPD本部長は、同巡査部長の行為を過度の暴力行使と判断したが、処分は5日間の有給休暇はく奪だけだった。
 市は、ペインさんに99万2500ドル(約1億円)を、またビルのオーナーにガラス代として5000ドル(約55万円)、同巡査部長に2500ドル(約27万円)を支払うことに合意した。ペインさんの弁護士は、「防犯カメラが明確にとらえていた同巡査部長の行為は、刑事責任に問われるべきだった」と批判した。

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