【14日付ブルームバーグ】ニューヨーク市のビジネスの中心がミッドタウンからマンハッタン島西側のハドソンヤードに移りつつある。
同地域へのオフィス移転を計画しているのはブラックロックやウェルズファーゴなどの金融大手の他、ネット通販大手アマゾン、メディア大手タイムワーナーなど。不動産仲介業者のサビススタドリーによると、過去5年間で1000万平方フィートの賃貸スペースがミッドタウンから転出、または転出を計画中。一方で、ハドソンヤードには670万平方フィートの転入計画があるという。同社によると、同地域への転入は金融サービス業が30%で最多。次いでメディア業22.4%、医薬品業界15.9%と多くなっている。
かつてのビジネスの中心は証券取引所のあった金融街であり、証券のデジタル化が進んだ1970年代ごろまで多くの金融機関が本社機能を置いた。しかし2001年の同時多発テロで金融機関の一極集中を緩和する動きが広まり、リーマンブラザーズやモルガンスタンレーなどは、広々としたオフィスを確保できるミッドタウンに移転していった。
近年、ハドソンヤードへのオフィス移転が相次ぐことについて、サビススタドリー副会長のデイビッド・ゴールドスタインさんは「人材募集が鍵」と話す。フェイスブックやアマゾンが同地域を拠点とすることに触れ、「金融大手のリクルーターは、若いエンジニアが集う場所で優秀な技術者を探している」と分析した。