移民の保釈巡る公聴会開催を命令 連邦裁判決、軽犯罪で8カ月拘束

 【25日付WNYC】米国で40年以上暮らしたハイチ出身の移民、オースティン・サホスさんが軽犯罪で米移民関税執行局(ICE)に拘束され、保釈を求めて訴えていた裁判で、マンハッタン区連邦裁判所のアリソン・ネイサン判事は23日、サホスさんの保釈に関する公聴会を2週間以内に開くよう命じる判決を下した。サホスさんの強制送還を巡って話し合いの場が持たれることになる。
 同判事は「逃亡の恐れや公衆へ危害を加える可能性が証明されない限り、サホスさんを保釈しなければならない」と述べた。サホスさんは「自由の身であれば、抗弁がしやすくなる」と話し、釈放後は強制送還取り消しを求めて闘うという。
 サホスさんは1972年、14歳で来米。仕事に就いて家庭を持ち、永住権も取得したが、精神病を患いホームレスになった。昨年10月、メトロカードを不正使用して地下鉄に無賃乗車したとして逮捕された。ICEは「不道徳な行為で強制送還に値する」と決定、サホスさんをニュージャージー州の難民収容所に収監していた。
 連邦最高裁は今年3月、公聴会は不要と判断していた。しかし拘束が8カ月間に及んでいたため、サホスさんは弁護士を通じて「収容は長過ぎ違憲」と訴えていた。

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