【28日付amニューヨーク】マンハッタン区ハドソン川沿いの自転車専用レーン、ハドソン・リバー・グリーンウェーにトラックが突っ込み8人が死亡、15人が重軽傷を負ったテロ事件から半年以上が経った。抜本的な安全対策が講じられず、利用者が増える夏を前に懸念が深まっている。
事件以前から近くの埠頭やすぐ横を走るウエスト・サイド・ハイウェーを利用する車両の不法侵入が相次いでいた。整備を担当するハドソン・リバー・パーク・トラストの報告によると、2012年12月までに少なくとも24人が同レーンで車を運転し、検挙されている。
事件直後、ニューヨーク州と市は暫定対策として、同レーン内の交差点57カ所にバリケードを設置。しかしバリケード間は5フィート(約1.5メートル)で、利用者からは「交通を阻害し危険」との苦情が出ている。交通活動家団体、トランスポーテーションオルタナティブズ代表のポール・スティーリー・ホワイトさんは「夏を前に暫定のバリケードに頼っている状況。新たな対策がサイクリストの妨げにならないといいが」と話した。
同レーンを管理する州運輸局は、同トラストなどと「恒久的な対策」を検討中としているが、具体案や導入日程については明言を避けている。