客たたいた運転手の免許はく奪 違反多数、免停20回以上

 【28日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市タクシーリムジン委員会(TLC)はこのほど、客に暴力を振るったとして処分が検討されていた運転手、オビオゾール・アナゾンウさんからタクシー免許をはく奪した。
 記録によると、乗客の男性は昨年10月30日、マンハッタン区でアナゾンウさんが運転するタクシーに乗車。なかなか発進しなかったため、メーターを上げようとしているのではと疑い苦情を伝えた。アナゾンウさんは「車から降りろ、麻薬の密売人め」と男性に怒鳴り、タクシー免許の写真を撮ろうとした男性の腕をたたいて携帯電話を払い落としたという。一方、アナゾンウさんは男性から、黒人の蔑称である「ニガー」と呼ばれ、「アフリカへ帰れ」と侮辱されたため、車を降りるよう伝えただけと反論していた。
 アナゾンウさんは2009年以降、定期検査や薬物検査の回避など業務上の違反でタクシー免許の停止処分を20回受けていた他、怒りに任せタクシーから飛び降り、客を脅迫するなどして懲戒処分を度々受け、訴訟沙汰になったこともあるという。
 TLCはタクシー免許はく奪の理由を「被害は軽度だが、アナゾンウさんが過去にも多くの問題を起こしているため」と説明した。

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