【29日付カーブドニューヨーク】ニューヨーク市内のビルの屋上に設置されている給水タンクのほとんどが管理怠慢だという。政治系地元メディア、シティー・アンド・ステートがこのほど発表した調査結果から明らかになった。
市条例によると、ビルの所有者は年1回、給水タンクの衛生状況を検査し市保健精神衛生局に報告する義務がある。同メディアは同局のデータを使って市内1万3000カ所の給水タンクを対象に、沈殿物、虫の死がい、鳥やネズミのフン、大腸菌などが発見された場所を調査。給水タンクの管理状況を色分けして地図化、公開している。
同調査から、多くの給水タンクで年1回の衛生検査が実施されていないことが判明。特にマンハッタン区ハーレムに未検査のタンクが多い。また、「全く問題がない」という報告も散見されたといい、同メディアは「十分な管理の下でも汚物やバクテリアは溜まるはず。不自然で、かえって疑わしい」としている。
米国環境保護庁(EPA)は「給水タンクの汚染は公衆衛生に悪影響を及ぼす可能性がある。特に木製タンクはその恐れが高い」と述べている。同メディアはビルの水道水を使う際は厚手のフィルターを通すなど、自衛策を勧めている。