記憶喪失の女性、夫と再び恋に セントラルパークで2度目の結婚式へ

 【5月29日付メトロニューヨーク】交通事故で記憶を喪失したアンジェラ・ハータングさん(55)が6月、セントラルパークで夫と2度目の結婚式を挙げることになった。
 ハータングさんは2013年10月、マンハッタン区アッパーウエストサイドの横断歩道を歩行中、ニューヨーク市警察(NYPD)のパトカーにはねられ、フロントガラスに頭を強く打つなどして近くの病院に搬送された。集中治療室で昏睡状態から目覚めると、前夫と死別したこと、10年前に再婚した夫のジェフさんや4人の子どもについての記憶を失っていた。
 ジェフさんは「つらく悲しい日々だった。会話は断片的で、何かを思い出してもすぐに忘れてしまうんだ。関係を一から築かなければならなかった」と振り返る。2人で散歩することから始め、6カ月に及ぶ病院でのリハビリに常に付き添った。病室のあちこちには2人の写真を飾った。こうして、ハータングさんはジェフさんと再び恋に落ちた。ジェフさんのことは当初、病室の担当医だと思っていたという。
 ハータングさんは昨年、白血病と診断され、リハビリは今も続く。「記憶は失ったけれど再び最高の夫を見つけた。これからも2人で困難を乗り越えていくわ」と涙ながらに話した。

ハータングさん(右)とジェフさん。ハータングさんのフェイスブックより

ハータングさん(右)とジェフさん。ハータングさんのフェイスブックより