DNA無根拠に「一致」処理 改ざんも、元職員が内部告発

 【1日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク州刑事司法サービス局の科学捜査課が昨年行った殺人事件に関するDNA鑑定のうち3件で、精査を怠り、「現場から採取したDNAが犯罪者のDNAデータベースのものと一致した」と根拠なしに処理していたことが分かった。同課の元主任、ブライアン・ゲストリングさんが1日、ニューヨーク・デイリー・ニュースに告発した。
 告発状によると、3件とも誤認逮捕や起訴には至らなかったものの、発覚後も検察に報告することなく、鑑定書類の訂正もなされなかった。ニューヨーク市、ナッソー郡、エリー郡で起きた3件の殺人事件に関わるという。
 また、1993、94年に2人を殺害したとして有罪判決を受け、昨年投獄されたジョン・ビットルルフ受刑者が絡むサフォーク郡で起きた殺人事件のDNA鑑定書類に改ざんもあったと主張している。
 同局のジャナイン・カバ広報担当官は、「不満を持った元職員がうそをついているだけ」と告発内容を否定している。
 ゲストリングさんは今年3月、セクハラを理由に解雇されているが、「セクハラは(DNA鑑定書類に)ミスを引き起こした同課の責任者によるでっち上げ。私が発見し報告したことへの報復だ」と反論している。

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