【10日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市内の公立学校で校長を含む教諭ら数十人が試験の回答を児童・生徒に教えるなど不正行為を行っていたことが分かった。ニューヨークポストが約2年かけて入手した市教育局の資料から明らかになった。
資料によると、教諭らは少なくとも2013年から15年までの間、試験の問題や解答を事前に配布する、成績を水増しするなどの不正行為を繰り返していた。ブルックリン区の公立小学校PS116では、当時4年生の担任だったジョシュア・レビーン教諭(38)が14年4月、試験問題の解答を多数の児童に教えていた。児童によると、同教諭は試験を中断して正解を教えたり、試験中に児童の解答を見回って間違いを指摘したりしたという。
同教諭は現在も同校で教壇に立っている。ニューヨークポストの取材には「どうして分かったのか」と口をつぐんだ。昨年の統一試験で合格点に達した同校児童の割合は英語が21%、数学が33%だった。
教育政策専門家のデイビッド・ブルームフィードさんは「子どもの成績が自身の評価に直結するため、不正行為がまん延するのでは」と指摘。同局の広報担当官は「教諭らの不正行為は重く受け止め、必要に応じて懲罰の対象にする」と説明している。