【12日付NBCニューヨーク】ブルックリン区ダウンタウンブルックリンのニューヨーク市消防局(FDNY)本部にある、殉職隊員をたたえる「栄誉の壁」に12日、トーマス・F・オブライエン隊員=当時(48)=の名が刻まれた。死後80年以上が経っていた。
1935年10月28日、マンハッタン区チェルシーの火災現場で消火活動に当たったトーマスさんは頭部を負傷。同日に頭痛を訴え、第3分署の宿舎で眠りについたが、そのまま帰らぬ人となった。検視の結果、頭部と脳の損傷が死因と判断されたにもかかわらず、FDNYは当時、殉職を認めなかった。遺族は2017年10月、トーマスさんの死を殉職と認めるよう市を提訴していた。
12日の式典には、孫やひ孫など、オブライエン家の親戚が集まった。孫のアーサー・オブライエンさんは「10年以上にわたり、殉職と認められるよう掛け合ってきた」と話し、この日の喜びをかみしめた。ひ孫のライアン・シュナル君(10)は、「ひいおじいちゃんの名前は壁に刻まれて当然」と話した。家族はトーマスさんの死亡退職年金や遺族年金をスタテン島の児童施設に寄付するという。
栄誉の壁には1150人の名が「英雄」として刻まれている。