【15日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市営の医療機関に勤める医師2人に対するセクハラ訴訟に、市が合計約50万ドル(約5500万円)を支払い和解していたことが、情報公開法に基づき入手された公文書により明らかになった。
ブロンクス区のリンカーン病院の女性外科医は、アルバート・べラスコ元麻酔科長から頻繁に不快な発言をされたとして2016年、マンハッタン区の連邦裁判所に提訴し、14万ドルで和解していた。給料の性別格差について14年に同院を提訴していた女性麻酔科医によると、元科長は女医を日常的に罵倒し、研修医らに「女医から学ぶことは何もない。臨床実習は男性医師と回るべきだ」と勧めていたという。この女性麻酔科医が15年、24万ドルで市と和解した後、元科長は市の医療機関を辞めている。
同区のメトロポリタン病院では17年、放射線科の助手の女性が、業務長のフセイン・マタリ医師から水着の写真を見せるよう求められたり、男性患者の性器の話をされたり、「豊胸手術を受けたのか」「服装が娼婦のようだ」などと言われたりしたとして同裁判所に訴えを起こし、11万ドルで和解していた。同医師は現在も市の医療機関に勤務しているという。