NYフィル、女性のパンツスーツ検討 「差別」「動きにくい」意見続出

 【14日付ニューヨークタイムズ】ニューヨークフィルハーモニック(NYP)は、公式コンサートの衣装として、女性奏者にパンツスーツの着用を認めることを検討している。NYP内では許可に向けた話し合いが進んでいるというが、創立以来176年の伝統を変えるには反発も予想されそうだ。
 NYPは全米に20ある主要オーケストラの中で唯一、女性奏者のパンツスーツを認めていない。現在、女性奏者は足首まで隠れる黒のロングスカートまたはガウンを着なければならない。女性差別だとの意見があるだけでなく、動きにくく演奏に制限が出ると機能面の理由も指摘されている。
 NYPの女性ホルン奏者、リーラニー・ステーレットさん(31)は「今の衣装は時代に合わず違和感がある。パンツスーツを認めるだけではなく、演奏衣装とは何かを考えるきっかけにしたい」と話した。
 CEOのデボラ・ボーダさんは昨年秋、女性奏者からの問い合わせをきっかけに衣装について「有意義な話し合いの場を持った」と話す。だが「長年のファンは伝統を好む傾向があり、新しい衣装が長続きした例はない」と指摘。NYPでは1958年、立ち襟を使ったスーツを採用したものの、数カ月しか続かなかったという。

女性の衣装は黒のロングスカート。ステーレットさんのツイッター (@LeelaneeNYC)より

女性の衣装は黒のロングスカート。ステーレットさんのツイッター
(@LeelaneeNYC)より