【20日付ニューヨーク・デイリーニ・ュース】ブロンクス区の高位裁判所陪審団は18日、電気・ガスを供給するコンエド社のガス栓を踏んで転倒し足首を複合骨折した男性に、損害賠償720万ドル(約7億9000万円)を支払うよう同社に命じる判決を下した。
ルイス・デル・バレさん(41)は2013年2月、同区東169丁目にある自宅アパートの前でタクシーを降りた際、むき出しになったガス栓を踏み転倒、足首の3カ所を骨折した。1週間入院し、3度の手術を受けたが、耐え難い痛みを伴う神経障害を発症し、杖なしでは歩けなくなった。デル・バレさんは、同社およびガス栓が設置されたビルを所有する同区のセンパー・フィ・マネジメント・セブン社を相手取り、損害賠償を求め訴訟を起こしていた。
3週間にわたる裁判で、被告側の弁護士は、デル・バレさんは事故当時酒に酔っており、転倒の原因はガス栓がむき出しになっていたこととは限らず、コンエド社に過失はないと主張。一方、原告は、数カ月間にわたり複数のテナントからガス臭の苦情があったにもかかわらず、同社がひび割れたガス栓の修理を怠ったことは州および連邦法違反であり、事故につながったと主張していた。
賠償金の内訳は、医療費420万ドル(約4億6300万円)とけがによる苦痛への慰謝料300万ドル(約3億3000万円)。同社は判決を不服として、控訴する意向だという。