【19日付ウォール・ストリート・ジャーナル】海水浴シーズンを迎え、ニューヨーク市内のビーチはどこも連日にぎわいを見せているが、閑散としたビーチもある。
とある週末、スタテン島東部のサウスビーチを訪れたウォール・ストリート・ジャーナルの記者は、人影まばらでビーチ定番の陽気なメロディも聞こえてこず、あまりに静かなことにびっくり。平日にも訪れたが、泳ぐ人の姿は見当たらなかったという。
同ビーチは1950年代、リゾート地として栄えたが、住宅開発が進み、70年から80年代にかけて犯罪が多発し、衰退していった。90年代に浜辺は整備され、治安は徐々に改善したが、海水浴客は戻らなかった。住民によると、同島では自宅にプールを所有する人が多いこと、砂浜は砂利が多く水質も悪いこと、波がないことなどが不人気の理由だという。エド・バーク同島長代理は、「あまりにぎやかになっても住民は喜ばないだろう。税金は別の道に使う」と開発に消極的だ。「ここは隠れた宝石のような場所」と、よそ者が入ってくることを歓迎しない地元住民もいる。
市公園局の調べによると、昨年夏、ブルックリン区コニーアイランドに670万人、クイーンズ区ロッカウェーに500万人、ブロンクス区オーチャードビーチに200万人が訪れたのに対し、サウスビーチへの訪問者は33万4000人だった。