【21日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市の公立学校の生徒4人と非営利団体、ニューヨーク公益弁護士団は21日、公立学校の運動部システムに人種差別があるとして集団訴訟を起こすと発表した。
原告側のメリッサ・アイエケン弁護士は、アフリカ系とラテン系の生徒が公立学校の運動部に参加する機会は他人種に比べて少ないと主張。「公立学校のアスリートリーグ(PSAL)に所属する生徒の人種には偏りがあり、市の人権保護条例に違反している」と述べた。
原告によると、運動部が存在しない公立学校は83あり、これらの学校にはアフリカ系やラテン系が多く通っているという。また、アフリカ系やラテン系の生徒が多く通う学校に運動部があったとしても、その数は極端に少ないという。
「3つの運動部しか選択肢がなかった」と話すのは原告団の1人、ブロンクス区のブロンクス・アカデミー・オブ・レターズに通うラテン系の11年生、マット・ディアスさん。「スポーツは思いやりの心やリーダーシップを学べる大切な活動。他校と同じ運動部があっていいはずだ」と訴えた。
別の支持団体が2014年、同問題について市を相手取り訴訟を起こしており、市は15年、対象となる学校に運動部を増設すると約束していた。