薄れゆく「値ごろ感」 イーストハーレム住民の不安

【25日付WNYC】マンハッタン区イーストハーレムの薄れゆく「値ごろ感」(アフォーダビリティ)に、住民は危機感を抱いている。
「スパニッシュハーレム」とも呼ばれる同地域にはヒスパニックの文化が根付き、ニューヨーク市内でも最大規模のプエルトリコ人コミュニティーが広がる。しかし近年は、他地域と同様に家賃が高騰。過去3年の間に40%上昇した。これに伴い住民の人種も大きく変化。プエルトリコ系は減りドミニカやメキシコ系が増加、さらに白人とアジア系も急増しているという。
同地域で育ち、イタリア人とプエルトリコ人の血を引くヘンリー・コマスさんは、イタリア移民からプエルトリコ移民の町へ、さらに多様な人種が混在する町へと移り変わる様子を目の当たりにしてきた。路上でスティックボールなどのゲームに興じようとしても、「相手を見つけられない」と嘆く。
市は同地域での住宅開発を計画しており、今後3500戸分のアパートが建設される予定だ。そのうち低家賃住宅は4分の1だが、この「低家賃」ですら、手が届かなくなるのではと心配する住民も多い。
「生活費は上がる一方。住めなくなった住民、特に高齢者は町を去り、高い家賃を払える新しい人々が流入してくる」とコマスさん。「この町の文化、多様性、そして人々のエネルギーが大好きだ。値ごろ感さえ保っていられれば」

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