【9日付WNYC】2012年10月に大型ハリケーン、サンディーがニューヨーク港に甚大な高潮被害をもたらしてから5年以上。米陸軍工兵司令部はこのほど、同港の治水計画5つを発表した。うち4つは新たな防波堤の建設。今後公聴会を開いて最終決定するという。
同司令部が特に注目しているのは、ニュージャージー州サンディフックからロッカウェー半島にかけて5マイル(約8キロメートル)のゲート付き防波堤を築く案。通常は船舶の航行や潮の流れを妨げないように開いているゲートが、ハリケーンが近付くと閉まる仕組みだ。
ただ、建設は数年に及び、工費も200億ドル(約2兆2500億円)以上必要になる見込み。「コストが掛かり過ぎる」との疑問視する声もあり、環境保護団体は「海洋生態系が著しく脅かされる」と懸念する。それでも、ハリケーン対策が飛躍的に前進するとして歓迎する声もある。同司令部によると、こうした施設はオランダ南西部や英国ロンドン市、国内ではロードアイランド州などで利用されているという。
他には、低海抜地帯に限定して防波堤を築く、スタテン島とブルックリン区の沿岸に小規模な防波堤を複数建設する、などの案がある。