【16日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)は16日、海運と鉄道貨物輸送の整備に1億ドル(約112億7500万円)の投資を行うと発表した。トラック輸送への依存度を減らす計画、フレイトNYCの一環。ターミナル増設など、港湾施設に6500万ドル、鉄道貨物輸送整備に3500万ドルを充てる。
アリシア・グレン副市長は記者会見で、「われわれの輸送手段は古くて非効率。全米のどの都市よりもトラック輸送に依存している」と指摘した。市によると市内の貨物輸送の約9割がトラックに依存しており、国際貨物もニュージャージー州などの港に荷揚げされた後は市内までトラックで運ばれる。こうした依存度の高さが交通渋滞の主因と考えられている。人口増加に伴い、貨物も増加しており、1億9800万トンだった2016年の輸送量は45年までに3億1200万トンに達するとみられるという。
フレイトNYCは、ブルックリン区に荷物の積み下ろしなどの中核となる「ハブ」を設け、輸送ルートの転換を目指す。今後10年で約4000人の新規雇用も見込めるという。NYCEDC最高経営責任者のジェームズ・パチェットさんは「市民の日常生活を円滑にするためにも、貨物輸送網の整備は不可欠だ」と話した。