【14日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市の公共住宅の約9.7%の世帯の住人が、3カ月以上家賃を滞納していることが分かった。市住宅局(NYCHA)への取材で明らかになった。
今月初旬の時点で、市の公共住宅で暮らす17万5000世帯のうち1万6983世帯が3カ月以上家賃を滞納しているため、同局の未回収家賃は約5530万ドル(約62億円)に上っている。昨年同時期の3カ月以上の家賃滞納は、全体の8.5%に当たる1万4944世帯だったが、今年5月までに1万6373世帯に増加していた。
家賃滞納者の中には、経済的に余裕がない住人だけでなく、老朽化した住宅の欠陥への対応の遅延に反発して支払いを拒む人もいる。マンハッタン区ローワーマンハッタンの公共住宅に住む女性は、10年間続いた水漏れにより3カ月前に浴室に大きな穴が開いたが、修理されていないため7月分の家賃391ドル(約4万4000円)の支払いを拒んでいる。
同局は今月、公共住宅の修理に必要な320億ドルのうち、249億ドルが不足していると公表していた。家賃は収入と部屋の大きさにより10ドルから3000ドルの間で設定され、平均は522ドル。2013年に家賃の滞納により強制退去となった世帯数は659世帯だったが、昨年は322世帯に減少し、今年に入ってから5月までの間は164世帯だった。