【17日付ウォールストリート・ジャーナル】昨年成立したトランプ政権による税制改革は、政治的動機に基づいて各州の財政管理の裁量を狭めることを意図しており違憲だとして、ニューヨークおよびニュージャージー、コネティカット、メリーランドの4州は共同で17日、連邦政府を相手取り、マンハッタン区の連邦地方裁判所に提訴した。
訴えによると、新税制では各州民が州や自治体に支払った税金を連邦税から控除できる額に1万ドル(約113万円)の上限が設けられたため、州民の連邦税負担が増し、州での課税政策の維持が困難になったという。原告の4州は、州および地方税の納税に基づく連邦税控除額に上限を定めることを禁止するよう同裁判所に求めている。
公共政策の改善を目的とする非営利団体ピュー・チャリタブル・トラスツによると、2015年に州および地方税支払いに基づく連邦税控除額が1万ドルを超えていた納税者の割合が多かった州は、全て民主党が地盤の州だったという。ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は新税制を「民主党地盤の州に打撃を与えるための政治的な企てだ」と非難した。ニューヨーク、ニュージャージーおよびコネティカット州では、新税制による州民の負担を軽減するための州法を可決している。