【24日付ニューヨークタイムズ】ブルックリン区の米陸軍基地にピザの配達に訪れたパブロ・ビジャビセンシオさん(35)が、身元確認で不法滞在が発覚し米移民関税執行局(ICE)に身柄を引き渡され、ニュージャージー州ケアニーのハドソン郡刑務所に拘束されていた問題(6月8日号本紙既報)で、弁護士は24日、ビジャビセンシオさんが釈放されたことを明らかにした。
同日午前、マンハッタン区の連邦地方裁判所で行われた聴聞で、ポール・クロッティ判事は「(ビジャビセンシオさんは)米国市民と結婚し、市民権取得の申請を開始しているのだから、釈放されるべきである」とし、永住権を取得するまで強制送還はしないと言い渡した。釈放に当たり同判事は公式意見で「強制送還はもはや合理的にみて実現不可能」と述べた。
ICE側の弁護士は同聴聞で「ビジャビセンシオさんは米国への脅威か」との質問に、「(拘束は)米国土安全保障省とICEの決定だ」と答えていた。
ビジャビセンシオさんはエクアドルから約10年前に米国に違法入国。2010年に米国籍の女性と結婚し市民権取得を試みたが、不法滞在のため同年7月までに任意で国を出るようICEから勧告されていた。しかしその後も国にとどまり、2人の子どもをもうけている。