【1日付ウォール・ストリート・ジャーナル】医療保険制度改革法(オバマケア)により定められた保険未加入者に対する罰金制度が廃止されたことで、各保険会社は保険料の引き上げを求めているが、ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は7月30日、保険会社の要求を拒否するよう金融サービス局(DFS)に指示した。
オバマケア撤廃を目指すトランプ大統領は昨年、医療保険未加入者に課される罰金制度を廃止する法案に署名し、法制化。州内で個人用保険を扱う民間保険会社14社は、来年の保険料を平均で24%引き上げることを求めていた。罰金制度がなくなれば若者や健康な加入者の数が減り、高齢で疾患を持つ加入者にかかる費用を賄えなくなることを保険会社は懸念している。
クオモ知事は「トランプは、ニューヨーク州が築き上げた保険制度を破たんさせようとしている」と批判。同知事の広報担当者は、保険会社が直面する問題について全ての選択肢を吟味していると説明した。
州の保険会社を代表する健康計画協会(HPA)CEOのエリック・リンザー氏は、個人が自由に保険加入を選べるようにするトランプ大統領の決定を「理にかなっている」とし、「保険制度は政治的思惑ではなく、経済学や統計資料に基づいて決めるべき」と話した。