進まぬ生ごみ分別収集 「長期的視点での取り組みを」

【8日付amニューヨーク】生ごみは堆肥として使用できることから、ニューヨーク市は生ごみをガラスやアルミ缶などの不燃ごみと分別し、堆肥用の専用ごみ箱に集め、再生する取り組みを2013年から続けてきたが、今年末までに分別収集を徹底するとの目標が達成できないことがこのほど明らかになった。生ごみの回収を週に2回から1回に減らすなど、見直しを迫られている。
分別収集が浸透しないのは、「市民の多くに腐敗臭を放つ生ごみを集めることに抵抗があること、専用のごみ箱はゴキブリやネズミなどを呼び寄せるのではないかとの偏見があること」と話すのはブルックリン区プロスペクトハイツで専用ごみ箱を使用するグレース・ハリオさん。生ごみの分別収集は法令で定められているプラスチックや紙などの分別とは異なり、自主的活動であることも影響しているようだ。
非営利団体、 天然資源防護協議会局長のエリック・ゴールドステインさんは、「まずは市民から分別収集への理解を得ることが目標」と、長期的視点で取り組むべきとの見方を示した。
市清掃局(DSNY)によると、市内の一般家庭から出る生ごみは、年平均で約650ポンド(約295キログラム)にも及ぶ。分別収集は、ごみ運搬経費の削減にもつながる。市は2013年以降、生ごみの分別収集を5区32地区で実施。350万人が参加してきた。