【7日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク市は、市内の刑務所で選挙人登録を促進するキャンペーンを開始した。刑務所内で選挙人登録ができ、不在者投票用紙の入手も可能になる。ビル・デブラシオ市長が推進する投票者を増やす計画「デモクラシーNYC」の一環。
投票権を持つ受刑者の選挙人登録は出身地で行うため、これまでは全て郵送で行われてきた。警備上の理由から手続きが遅延することがあった。
市の選挙資金委員会のボランティアらは6日、刑務所内に同計画のポスターを貼ったり、受刑者にパンフレットを配ったりして選挙人登録を呼びかけた。刑務所内の図書室に立候補者を紹介する資料もそろえた。シンシア・ブラン市矯正局長は「受刑者でも投票できることを教え、認識させることは、社会とのつながりを深める有効な手段。職能訓練や社会復帰教育と同等の価値がある」と話す。
市矯正局によると、市内の刑務所は現在約8000人を収容。そのうち約2000人は重罪が確定している、あるいは仮釈放中のため投票権がはく奪されている。同局では受刑者の国籍を確認しておらず、実際の有権者数は不明だという。市は投票者を増やすために州条例の変更も求めている。