ロバート・ニューマン医師 薬物依存対策の先駆者、日米医療にも貢献

 【8日付ニューヨークタイムズ】薬物依存対策の先駆者で、日米医療にも貢献した医師のロバート・ニューマンさんが1日、マンハッタン区で亡くなった。80歳だった。今年6月、ブロンクス区で車にはねられ、回復しなかった。1958年、ニューヨーク大学卒業、63年、ロチェスター大学医学部卒業。ニューヨーク市保険局薬物中毒対策局長補佐を務めていた70年、ヘロイン依存症を「医療の問題」だと提言、ジョン・リンゼイ元市長の下で患者に鎮痛薬「メサドン」を与える画期的なプログラムを樹立した。97年、ベス・イスラエル・メディカル・センターの院長に就任。薬物中毒患者の注射器無料交換を推進し、同性愛者や日本人向けの診療所開設に尽力した。
 日本人の研修医を積極的に受け入れるなど、日米の医療にも貢献。2014年には旭日中綬章を受賞している。オランダ・ハーグ市生まれ。空軍に属し、日本駐在中に知り合ったセイコ・クスベさんと結婚。生前、「公衆の問題に常に目を向けていた」と述懐していた。

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