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【9日付ニューヨークタイムズ】ブロードウェーのスターたちを舞台裏で支える医師がいる。東56丁目で耳鼻咽喉科医院を開業するリンダ・ダールさん(47)だ。
ダール医師は「あなたの患者さん何なの? そろいもそろってハンサムで」とよく聞かれるという。患者の多くがブロードウェーの俳優たちだからだ。「ハミルトン」「アラジン」などの主演級だという。
その1人、「ワンス・オン・ディス・アイランド」に出演中のタイラー・ハードウィックさんは、舞台装置の砂から舞う埃で喉を痛めた6日に来診。この日はハードウィックさんの声帯に異常がないことを確認し、免疫力強化のためにビタミンB―12を注射した。ダール医師は古い劇場はカビが生えることも多く、アレルギーや副鼻腔炎を引き起こしたり、声帯を損傷したりすることもあると警告する。
楽屋に往診することも度々だ。トニー賞授賞式には、ビタミンB―12の注射を求めて、俳優が列を成す。「フローズン」のオープニングには30分で48本の注射をしたという。
シリアからの移民の子として苦学。1998年に中西部からニューヨーク市に移り、口コミでブロードウェーの俳優たちを診るようになった。俳優からは「役者人生の恩人」と感謝されるという。

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