【20日付ウォール・ストリート・ジャーナル】価格が500万ドル以上のニューヨーク市内の高級アパートの売上高が、2018年前期(1月から6月)で前年同期比の31%減少した。マンハッタン区を拠点とする不動産仲介業者、ストリブリング&アソシエイツが発表した高級市場報告書が明らかにした。近年の高級アパート価格の高止まりが、売り手の提示金額を押し下げていると分析する。
同社副会長のカーク・ヘンケルス氏は 株の暴落など「比較的大きな景気減速要因」がない中で物件の販売価格が下がるのは一般的にみて珍しいと指摘。「買い手が認識する価値より慢性的に高値となっていた不動産市場が(本来あるべき価格まで)調整されただけでは」と分析した。
報告書によると、売上高の下落は高級アパートの供給量が急増した新築に集中。セントラルパーク近くの最高級物件などでは、コンドミニアムよりコープを購入する買い手が目立った。一方、中古物件に目を転じると、売上高は前年同期に比べて10%増加していた。
市内の高級アパートの市場価格は14年と15年に急上昇して以降、低迷が続き、値下げも相次いでいる。マンハッタン区トライベッカのテラス付き5ベッドルームのペントハウスは、14年1月には4000万ドルの値がついていたが、その後3度値下げされ、2250万ドルまで下落。今月16日、同物件は最終価格2000万ドルで売買契約が交わされた。