【18日付ニューヨークポスト】ブロンクス区のカトリック聖職者が1980年代、男子高校生に性的虐待を加え、示談が成立していたことが18日までに分かった。ペンシルベニア州のカトリック神父300人以上が少年少女に性的虐待し、組織的に隠蔽していたと、同州司法当局が14日に発表したばかりだった。
被害者側の代理人、マイケル・レック弁護士によると、ブロンクス区のカトリック系男子校、カーディナルヘイズ高校で1980年から85年まで進路指導役を務めていた神父(81)は、通っていた男子生徒1人に対し、複数回にわたり性的虐待を加えていたとされる。男子生徒は当時、14歳から16歳だった。
同生徒にはニューヨーク大司教区の被害者補償プログラムから現金で示談金が支払われた。事件は時効により、訴追には至っていない。同神父は、1964年の神父任命以来、2007年までにマンハッタン区内の複数の教会に勤務していたという。
この男子生徒を含む24人の代理人を務めるレック弁護士は、同プログラムから合計400万ドル(約4億4160万円)の示談金を受けた。被害者らは、同神父を含め神父9人の名前を挙げたという。
同弁護士はペンシルベニア州の被害者を含め、被害を告白した少年少女をたたえ、「時効が成立した事件でも、声を上げることにより、新たな性的虐待の被害者が出ずに済む。他の被害者にも勇気を与える」と話した。