【20日付ウォール・ストリート・ジャーナル】個体数管理を理由に狩猟を許可するのは非人道的だとして、ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事は20日、州保有地でのアメリカグマの狩猟を禁止する知事命令に署名した。
州環境保護局によると、昨年は409頭のアメリカグマが狩猟された。同命令が禁止する場所は州有の森林、公園、娯楽区域、史跡、野生動物管理区域。同知事は声明文で、州内での全面禁止に向けては、州法の制定または、狩猟家などで構成する州傘下の独立団体、魚類鳥獣評議会の決定が必要だとしている。同知事は「殺さない全ての方法を検討すべきだ」と述べた。
ただし、州環境保護局幹部は、アメリカグマの個体数管理には狩猟は必要との立場を取る。自然保護団体、シエラクラブのニュージャージー支部のジェフ・ティッテルさんは、州有地のみでの禁止では不十分で、狩猟場所が郡有地や私有地に移るだけだと懸念。「殺される頭数が減るかは実際のところ不明」とした。
同州のアメリカグマは、1970年代の100頭弱から2016年には2500頭まで急増。住宅街でごみをあさるなどの苦情が相次いだ他、住民が襲われて死亡する事件も発生。クリス・クリスティ前知事は狩猟できる頭数を増やし、弓の使用も許可していた。