「ホスト公開はプライバシー侵害」 エアビーがNY市を提訴、条例施行目前

 【24日付ブルームバーグ】ニューヨーク市で、民泊サイトを通じて部屋を貸すホストの身元を市への開示を義務付ける条例が7月に成立したことを受け、民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーなどは24日、同条例は利用者のプライバシーを侵害し違憲であるとして、市を提訴した。
 今冬から施行となる同条例は、同社のような民泊サイトに、ホストの住所および氏名を市特別執行局に公表することを義務付ける。同条例は、同居法に違反し、違法に部屋を貸すホストを見つけ出すことが容易になるとして、市議会で満場一致で可決していた。
 同社が同日午前に提訴すると、ホテル・航空券予約サイト、エクスペディアが運営する民泊仲介サイト、ホームアウェーも市を相手取り同様の訴えを起こした。
 市当局者は住宅所有者が長期で部屋を貸すよりも利益率の高い民泊サイトを介して短期で部屋を貸し出すため、市で深刻化している低価格住宅の不足に拍車がかかっている他、貸し部屋近隣の住民を混乱させ、家賃の高騰を招いていると指摘する。
 市は、エアビーアンドビーにとって最大の市場の1つだが、市と同社は、過去約10年間にわたり、同条例を巡り争いを続けている。同社グローバル政策担当部長のクリス・レハーン氏は「ニューヨーク市議会はホテル業界に完全に追従しており、民泊業界と協調する気がないのでは」と話した。中国やフランスなど、行政機関と同社が共同で事業を行う国もあるという。

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