食習慣で肺疾患発症を予測 魚やオリーブオイルで被害軽減?:研究

【3日付amニューヨーク】2001年の9.11同時多発テロ後の救助活動に従事した消防隊員の肺疾患の発症と食習慣に関連性があることが、ニューヨーク大学(NYU)医学研究科がこのほど発表した研究から分かった。
同大学の研究者らはテロ直後から7カ月以内に、救助に当たった消防隊員の血液を検査。その後毎年、これらの隊員の肺機能を定期的に検査した。
15年までに肺機能が低下した15人の隊員と低下しなかった隊員を比べると、さらされた粉じんの量に差がないにもかかわらず、代謝物に差があることを発見した。代謝物の異常量を検査することで、被験者が将来肺疾患を発症するかどうかを論理的に予想できるという。代謝物の異常がなぜ将来の肺疾患発症につながるかについては不明とした。
ただし、主任研究員のアンナ・ノーランさんによると肺機能が低下した隊員は中性脂肪(トリグリセライド)の値が高く、「善玉コレステロール」とも呼ばれるHDLの値が低かったことも明らかになった。
研究では、肺機能低下を予測するに当たり、同発見は有効であると結論付けた。今後は肺機能が低下した隊員の食事を、HDLを多く含む魚やオリーブオイル中心の食事に切り替える半年間の臨床試験を行い、被害を軽減する方法を模索するという。