ニューヨーク日系人会邦人・日系人高齢者問題協議会
ニューヨーク日系人会邦人・日系人高齢者問題協議会(通称JAA高齢者問題協議会)はこのほど、公益財団法人在宅医療助成・勇美記念財団(東京都千代田区)の助成金を得て、桃山学院大学大学院・教授の遠山伊津子さんと協働で意識調査、「ニューヨークおよび近郊に在住の日本人・日系人の高齢化に関する調査」を実施する。同地域在住の邦人、日系人が高齢期についてどのような意識を持ち、またどんな老後を望んでいるかを把握するのが目的。対象は、ニューヨーク市および近郊(ニュージャージー、コネティカット、ペンシルバニア州)在住の40歳以上。
遠山教授はオレゴン大学で人類学博士号を取得。専門は異文化コミュニケーション。これまでに米国やブラジル、イギリス、ドイツなどで日本移民の高齢問題と幸福についての研究に従事している。
意識調査はアンケート用紙に記入する形式で実施。これまでに日系団体やJAA主催のイベントに参加した人たちを中心に行っているが、JAAでは一般からの協力を広く募っている。アンケート用紙はJAAに連絡し取り寄せる(下記参照)。回答の締め切りは10月7日。調査結果は統計として処理、個人情報(性別・年齢・居住地)は意識調査以外の目的では使わない。回収したアンケート用紙は鍵付きの戸棚に保管し、結果は発表会を開催し報告する。
ニューヨークで在宅介護は可能か?
JAA高齢者問題協議会は2006年、同様の意識調査を実施。その結果を受けて、07年からシニアウィークを毎年開催し、高齢化への啓蒙活動を行ってきた。「家族そろっての移民が多く歴史が長い西海岸は、日系コミュニティーの力が強く結束力も高い。邦人向けの高齢者施設もある。一方、ニューヨークは、留学や旅行、仕事で単身来米し、そのまま居着いてしまった人、特にシングルの女性が多い。日本の家族の高齢化に伴い、身を寄せる(帰国する)先を失い、病気になったり認知症になったりして孤立する高齢者を目の当たりにしてきた」と話すのは、JAA高齢者問題協議会委員長を務めるスーザン大沼さん(JAA会長)と野田美知代さん(同事務局長)。2人は、ニューヨーク地域在住の邦人・日系人を対象にした在宅介護の可能性を模索している。今回の意識調査の大きな目的の1つは、在宅介護に関する邦人・日系人の考えと、JAAに必要とされるサービスは何かを知ることにあるという。「JAAが組織として在宅介護に関与する場合、介護士(ホームエイド)の費用や介護保険の取り扱いなど解決しなければならない問題は山積み。しかし喫緊の課題。意識調査にぜひ協力していただけたら」と話した。
【問い合わせ】
ニューヨーク日系人会 邦人・日系人 高齢者問題協議会
Tel: 212-840-6942
Emal: info@jaany.org