連載144 山田順の「週刊:未来地図」ついに始まった眞子さまの“婚約者” ケイ・コムロの「ニューヨーク留学物語」の結末? (上)

 秋篠宮家の長女・眞子さま(26)の“婚約者”小室圭さん(26)が、どんな経緯でニューヨークに行くことになったのかは“疑惑”だらけだが、日本の皇室の人々から嫌われていることだけは確かだろう。

 そのため、この留学は、眞子さまの“純粋な慕い”を冷めさせ、結婚を「破談」に持ち込むためには好都合な出来事として捉えられている。国民もまた、密かにそう思っているのは間違いない。ただ、そうはいっても、この留学がなぜ実現したのかいまだに不明であり、この先なにがあるのかは誰にもわからない。

授業料全額免除の異例中の異例の留学

 フォーダム大学のメインキャンパスは、マンハッタンのリンカーンセンターのそばにある。元々はカトリック、イエズス会系の大学で、なんと、あのトランプ大統領も在籍していたことがある。ただ、全米大学ランキング(「U.S.News & World Report」2017)は61位と、それほど高くない。そんなフォーダム大学でいま、小室圭さんは新入生向けのオリエンテーションに臨んでいる(編集部註:本記事の初出は8月13日)。
 彼が在籍することになったのは、ロースクールのJD (Juris Doctor)コース。通常は3年間の過程でニューヨーク州の司法試験を受ける資格を得るが、彼の場合は特別措置として1年間で資格が得られるというから驚く。しかも、授業料(年間5万500ドル)は、全額免除の奨学金でまかなわれる。
 これまでフォーダム大学には、返済義務のない奨学金は年間2万ドルまでのものしかなかった。それが、小室さんの入学決定と同時に100%学費免除を受けられる「Martin Scholarship」が新設されたという。まさに、異例中の異例の留学。いったいなぜ、彼はこんなかたちで、日本人にはハードルが高い米国大学ロースクール留学を手に入れることができたのだろうか?
 小室さんが日本を発ったのは8月7日のこと。成田空港にSPに付き添われて現れた彼は、デトロイト行きのデルタ航空機に乗り込んだ。空港には報道陣が待ち構えていたが、報道陣の呼びかけにはいっさい答えなかった。その姿をテレビで見ながら、私が妻に言ったのは、「なんでデルタのデトロイト行きなのだろうか?」ということだった。その後知ったが、このデルタ便は予定時刻を3時間以上も遅れて出発したという。
 デトロイト経由だから、ニューヨークではラガーディア空港に着く。ここでも、日本からの報道陣が待ち構えていたが、やはり小室さんはひと言も話さず、出迎えの車に乗り込んだ。結局、今回の留学に関して、彼の口からいっさい語られることはなかった。

ケイ・コムロはプリンセスの婚約者ではない

 ニューヨーク到着から一夜明けた8月8日午前、日本の報道陣は、今度はフォーダム大学のキャンパスで、小室さんが来るのを待ち構えた。しかし、ここでも彼は笑顔を見せたものの、簡単な問いかけに「はい」と答えるだけにとどまった。それで仕方なく、レポーターたちは、キャンパスにいる留学生たちにマイクを向けた。その1人は、フォーダム大学のロースクールに関して、ごく当たり前にこう答えた。 「先生たちは社交的ですし、オープンですよ。ニューヨークは世界の中心なので、彼は人生で最高の経験をすることができるでしょう」
 ただ、本当に驚いたのは、大学の事務員が小室さんを日本の皇室のプリンスだと勘違いしていたことだ。「日本のプリンスが来るなんて、素晴らしいことです」と言う事務員に、日本のレポーターが、彼はプリンセスの恋人で、あくまで一般人だと教えると、「そうなの。ともかく、遠距離恋愛は難しいわ。プリンセスでも未来のプリンスであっても誰でもね」と答える始末だった。
 今回の留学が公になったのは、フォーダム大学が大学のウェブサイトに、「Kei Komuro, fiance of Princess Mako of Japan, to attend Fordham Law」(日本のプリンセス・眞子さまの婚約者、小室圭がフォーダム・ロースクールに参加)というタイトルで、このニュースを伝えたからだった。
 しかし、その後、宮内庁はこの記事を問題視。小室さんは一般人の結納に当たる「納采の儀(のうさいのぎ)」を行っていないので婚約者(フィアンセ)ではないと、フォーダム大学に抗議した。その結果、「fiance of Princess Mako of Japan」という表現は削除されたのだった。

報道陣を避けさせた留学出発の挨拶

 私は1980年代から1990年代にかけて女性週刊誌で編集者をしていて、一時期、皇室記事を担当していたことがある。その関係で、皇室記者に人脈があったが、いまや当時、一線にいた記者たちはみな引退してしまった。それでもすっかり世代代わりした現場記者に知り合いがいるので、情報は入ってくる。
 今回の留学騒動で現場記者がいちばん振り回されたのが、8月4日の土曜日だった。この日、小室さんが留学に旅立つ挨拶に、秋篠宮邸を訪れるという情報が流れた。それで、記者たちは秋篠宮邸のある赤坂御用地周辺で張り込み取材となった。赤坂御用地には6つの門があるが、そのうち秋篠宮邸にいちばん近いのが、「巽門」。報道陣のほとんどがここに張り付いた。
 ただ、万が一のことも考えて、秋篠宮邸へのアクセスがいい「鮫が橋門」や「東門」にも人員を配置した。そうして、午後5時すぎ、小室さんが向かったという連絡が入った。記者たちは、入邸の映像を撮ろうと緊張した。しかし、それから2時間待っても、小室さんを乗せた車は現れなかったのである。
 あとでわかったのだが、小室さんはノーマークの「東宮御所正門」を通って赤坂御用地に入っていた。東宮御所は皇太子一家の邸宅である。そのため、東宮御所正門は皇太子夫妻か天皇皇后両陛下の来賓など、ごく限られた人たちしか使わない。ただしこの日、皇太子と雅子妃は高校野球の開会式に出席するため、甲子園に出かけていたのだった。とはいえ、東宮御所正門から入るというのはあり得ないと、皇室記者は言った。「だから、秋篠宮ご夫妻がそうするように配慮したとか考えられません。小室さんを報道陣の前に少しでも出したくないのでしょう」
(つづく)

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【山田順】
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。
2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。
主な著書に「TBSザ・検証」(1996)「出版大崩壊」(2011)「資産フライト」(2011)「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)など。翻訳書に「ロシアンゴッドファーザー」(1991)。近著に、「円安亡国」(2015 文春新書)。

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