タッパンジー新橋の開通延期 旧橋から大きな破裂音、安全懸念

 【9日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク州北部、ハドソン川をまたぎロックランド郡とウエストチェスター郡を結ぶタッパンジー橋の架け替え工事で、8日に予定されていた新橋の完全開通が、安全上の問題から延期となった。
 8日の完全開通を前に7日午後5時ごろ、旧橋から大きな破裂音が聞こえたとの報告があった。技術者らが週末にかけて検査したところ、旧橋の接合部分2カ所が破損しているのを確認。旧橋の一部が川や新橋に落下するのを懸念し、新橋開通の延期に至った。
 工事の監督に携わった共同事業者は9日夜、旧橋の一部に落下の危険性はあっても、川や新橋への落下はないため、11日夜の開通を推奨するとの声明文を発表した。旧橋は人口岩礁として海に沈める計画が進行中で、がれきをロングアイランド沖へ運搬する作業が進んでいた。
 ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事の父マリオ・M・クオモ元知事の名が付けられた新橋は、西行き車線が昨年開通。東行きも完成し、ヒラリー・クリントン前国務長官などを招いた完全開通を祝うイベントが7日に開催されていた。
 州知事選挙予備選対立候補のシンシア・ニクソン氏は、クオモ知事が選挙を有利に進めるため新橋の開通時期を早めたとして捜査を呼び掛けている。

タッパンジー新橋。クオモ知事のツイッター(@NYGovCuomo)より

タッパンジー新橋。クオモ知事のツイッター(@NYGovCuomo)より