連載146 山田順の「週刊:未来地図」ついに始まった眞子さまの“婚約者” ケイ・コムロの「ニューヨーク留学物語」の結末? (下)

NYで就職して日本に帰ってこない可能性

 留学報道後に出た週刊文春などの記事によると、小室さんは今年の2月にLSATを受けたとなっていた。となると、その後すぐに出願したということなのか? はたしてどんなスコアだったのだろうか?

 フォーダムのロースクールは全米のロースクールランキングで30位以下だから、スコアはおそらく150くらいだったと思われる(ちなみにイエールやハーバードなら180は必要)。いずれにせよ、普通ならLSATのスコアで何校かに出願することになる。ならば、彼はフォーダム以外のどこに出願したのだろうか? また、推薦状は誰が書いたのだろうか? さらに、パーソナルステートメントに、「自分はプリンセスの婚約者」と書いたのだろうか?
 一般的にJD習得を目指すなら、大学は法学部を出ていなければならない。しかもJDは1年間プログラムである「LLM」(Master of Laws)と違って、アメリカで弁護士になるためのコースであり、州の司法試験を通ったら、ほとんどの人間は現地で数年間は就職する。となると、彼は帰ってこないということなのか? こうして、疑問が次々に浮かんだのである。

なぜ授業料も生活費も必要なくなったのか?

 小室さんは1999年設立のカナディアンインターナショナルスクール(CIS)という、新興のインターナショナルスクール出身である。したがって、留学といっても純粋な日本人がするのとは違って、ある程度慣れていると言っていい。しかし、そんなことよりもっと大きな問題がある。それは、授業料と留学費用をどうやって捻出するかである。
 報道で私は、授業料は全額免除のスカラーシップを得たと知った。しかし、そもそもスカラーシップでまかなうなら、それを先に申し込む必要がある。また、申し込むにしても、収入証明などの書類が必要だ。そう思うと、疑問は解けない。
 仮にスカラーシップが得られないとして、出願するなら、約5万ドルとされる授業料の支払い能力を証明する書類が必要になる。単純なのは銀行預金残高証明書だが、5万ドルなら少なくとも1000万円の銀行預金残高証明書が必要だろう。
 法律事務所の事務員(パラリーガル)で、年収300万円ほどとされる小室さん。そして、借金返済がメディアのネタになっている小室家に、はたしてそんなお金があるのだろうか?
 もう1つ、たとえ授業料を払えたとしても、授業の教材費、オンキャンパスの住居費、そして生活費がいる。これはどうするのかと思ったら、現在の勤務先の奥野法律事務所が出すのだと報道された。しかし、単なるパラリーガルを3年間も面倒を見る、それも日本に戻るのはいつになるかわからない人間に、ここまでするということは、一般では考えられない。奥野法律事務所とは、いったいどんな法律事務所なのかと、耳を疑った。

「プリンセスの婚約者」という見えない力

 というわけで、これまでの報道では伝えてられないが、この留学は、通常の留学とは違う“見えない力”が働いた留学なのは明白だ。初めから全額免除のスカラーシップがあってのものだったはずだからだ。
 ここで、再度、2人の“婚約”の経緯を思い起こすと、眞子さまが延期を発表されたのは2月6日である。とすると、その前に、フォーダムへの出願と入学決定は済んでいたと考えるのが妥当だろう。
 しかも、その出願に際しては、小室さんは間違いなく眞子さまの婚約者であることをアピールしたはずだ。つまり、フォーダムの全額奨学金による異例の入学許可は、「プリンセスの婚約者」とセットでなければ、筋が通らない。見えない力の源泉は、「プリンセス・マコの婚約者、ケイ・コムロ」であったのは間違いない。
 そして、最後の疑問は、この力をいったい誰がフォーダム側に使ったのかということだ。小室さん本人なのだろうか? それとも、小室さんの大学や法律事務所の人間で、フォーダムにルートを持つ者だろうか? あるいは、小室さんを眞子さまと引き離そうとする皇室関係者なのであろうか? いずれにせよ、眞子さまとの交際がなければ、小室さんは、法律事務所で事務をしながら将来の法律家を目指す普通の事務職員にすぎない。

いずれ眞子さまの慕いも冷めるのだろうか?

 皇室記者たちは、いまも眞子さまは小室さんを一途に慕っているという。秋篠宮ご夫妻がどんなに説得しても、聞く耳を持たないのだという。これまで書かれてきた皇室記事は、みなこのトーンで一致している。そして、そんな眞子さまのことを美智子さまも紀子さまも心配されている、さらに、紀子さまは美智子さまに心配をかけていることにとても心を痛めていると、伝えられている。
 現在の皇室でもっとも力を持っているのは、言うまでもなく美智子皇后である。美智子さまが要になっていることで、天皇家というファミリーは結束し、国民から親しまれ、尊敬の念を集めている。そんな美智子さまがいちばん小室さんのことを嫌っていると、ある皇室記者は言う。だから、宮内庁は今回の小室さんの留学を大歓迎しているともいう。いくらLINEなどで連絡を取り合おうと、遠距離になったことで、いずれ眞子さまの“慕い”も冷めるだろうと期待しているというのだ。
 はたして、これから始まる「海の王子」ケイ・コムロの「ニューヨーク留学物語」は、どんな結末を迎えるのだろうか? 日本のメディアが、今後も小室さんのニューヨーク生活をマークしていくことだけは間違いない。
(了)

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【山田順】
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。
2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。
主な著書に「TBSザ・検証」(1996)「出版大崩壊」(2011)「資産フライト」(2011)「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)など。翻訳書に「ロシアンゴッドファーザー」(1991)。近著に、「円安亡国」(2015 文春新書)。