【17日付ニューヨーク市発表】ニューヨーク市保健精神衛生局(DOH)が17日に発表した2017年の市での麻薬過剰摂取死のデータ分析によると、前年に比べて死者数は増加、まん延レベルではあったものの、増加率は前年の51%から2%へと著しく減少していた。市での麻薬過剰摂取による死者数は、17年は前年比62人増の1487人だった。16年には前年より437人増加していた。
17年に過剰摂取死を招いた薬物で最も多かったのは、オピオイド系鎮静剤、モルヒネより50倍から100倍強力といわれる合成オピオイド、フェンタニルで、過剰摂取死の57%を占めた。同薬による過剰摂取死は、前年には全体の44%だった。
地域別では、いずれもブロンクス区サウスブロンクスが多く、複数の地区で市平均の2倍以上の死者数が報告された。
人種別では、ここ11年間で初めて、黒人の死者数が白人やラテン系を抜いてトップとなった。薬物過剰摂取により死亡した黒人の多くはブロンクス区の住民。
市ではオピオイド系鎮痛剤による過剰摂取死を防止する計画「ヒーリングNYC」の一環として、同区で拮抗薬のナロキソン1万5000セットを配布するなどの対策を進めている。DOHのオキシリス・バーボット暫定局長は、「(同計画は)状況を良い方向に向かわせている」と評価した。