【21日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク州のカトリック大司教、ティモシー・ドラン枢機卿は20日、ニューヨーク大司教区における聖職者の少年少女に対する性的虐待と成人への性的嫌がらせに関する調査を、マンハッタン区連邦地方裁判所のバーバラ・ジョーンズ元判事に依頼すると発表した。
今月6日、バーバラ・アンダーウッド州司法長官が州内の全てのカトリック教会が性虐待疑惑を何十年にもわたりどのように隠蔽したかについての調査を行うと明らかにしたことを受けての対応とみられる。同様の調査は、ペンシルベニア州のカトリック教会で、神父300人以上が1000人以上の少年少女に性的虐待を加えながら70年以上隠蔽していたとの同州大陪審の報告以来、いくつかの州で開始されている。
ジョーンズ元判事はニューヨーク大司教区の特別顧問および独立調査官として、2002年に全米大司教が承認した未成年保護のための議定書をニューヨーク大司教区が遵守しているかどうかに焦点を当てる。02年の議定書では取り上げなかった不正行為についても調査し、教会や神学校の規則が性的嫌がらせやパワハラなどを防止するのに十分かも検証する。
ドラン枢機卿は記者会見で、「求めるものは、説明責任と透明性」と語り、同元判事に期待を寄せた。