【20日付カーブドニューヨーク】ニューヨーク市議会のゾーニングとフランチャイズに関する小委員会は20日、マンハッタン区イーストビレッジにあるマーチャンズハウス博物館の横に8階建てのホテルを建設する計画を、満場一致で否決した。建設工事を行った場合、市の歴史的建造物である同博物館に損壊の恐れがあるとした。同博物館は1832年建造の商人の自宅で、当時の内装や調度品などを展示している。
ホテルの建設は、不動産開発会社のカロドップ・II・パーク・コープが計画。2014年に市の歴史的建造物保存委員会が計画を承認したが、ホテルのデザインと地域の景観が調和しないことなどから一部の委員が懸念を示していた。今年6月に開催された地域委員会では、41人の委員全員が反対票を投じていた。同博物館は7月、市の計画委員会と同社を相手取り、建設計画中止を求めて提訴。地域ぐるみの反対運動も起きていた。
計画は来週、市議会の本会議にかけられる予定。同地区選出のカーリナ・リベラ市議会議員(民主)は、解決に向けて開発業者と協議する用意があるとしながらも、博物館の保全と存続を優先すると表明。同議員が支持しない限り、他議員も賛成することは慣例上ないため、ホテル建設計画は前進しないものとみられている。