【23日付ウォール・ストリート・ジャーナル】ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、クイーンズ区のジョン・F・ケネディー国際空港(JFK)改修計画の詳細の発表を向こう数週間以内に予定しているが、同計画に滑走路の新設は含まれないことが分かった。JFKを運営するニューヨーク・ニュージャージー港湾局(PA)のリック・コットン取締役が明らかにした。
昨年の同空港の利用者数は2008年の4800万人から23%増え史上最多の5900万人を記録。経済活性化に取り組む市民団体、リージョナル・プラン・アソシエーションは今年、増える利用者に対応するため2本の滑走路新設が必要との報告書を発表していた。しかしコットン取締役によると、PAは35年までの推定利用者数、8000万人に対応するのに、現在の4本の滑走路だけで十分と判断したという。
滑走路の新設は、建設費用に加え、周辺地域に騒音や大気汚染をもたらすことから地元住民の説得が必要になる。PAは11年に滑走路の新設を視野に入れたこともあったが、政治的圧力が強く公表を避けたという。計画に詳しい関係者は「全員が滑走路を新設したいわけではない」と明かした。
計画では100億ドル(約1兆1300億円)をかけ、一般車両用道路を新設し、航空機誘導路を改良する他、各ターミナルを統合・整理し近代化する予定。