キャデラック、デトロイト回帰へ 4年の販促努力も業績低迷

 【26日付ウォール・ストリート・ジャーナル】自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)は、傘下の高級車部門、キャデラックの本社機能をニューヨーク市から移転し、ミシガン州デトロイト市に戻す計画であると発表した。移転時期は不明。
 同社は4年前に独フォルクスワーゲン(VW)出身、キャデラック前社長のヨハン・デイスン氏が本社機能をマンハッタン区ソーホーに移転。幹部やマーケティング部門に社員約110人を配したが、設計や技術はデトロイト市郊外にあるGM本社に依存していた。ニューヨーク市を選んだ理由をデイスン氏は、社員が高級車市場を肌で感じる必要があるためと説明していた。この4年で同社はファッションショーのスポンサーになり、本社が入るビルに芸術作品を集めた展覧会を開催するなどさまざな手法で販促を試みた。
 しかし業績は低迷。市場占有率も過去3年、低下の一途をたどった。デイスン氏は戦略や経営を巡ってGM本社とたびたびもめたと伝えられ、今年4月に退任した。
 デトロイト回帰を決定したキャデラック現社長スティーブ・カーリスル氏は「 デトロイトの製造部門と情報交換を効率的に行いたい」と語った。