独りぼっちのゾウ「移動を」 動物愛護団体が申し立て

 【2日付AP通信】ゾウを1頭だけで飼育するのは「違法な投獄」に当たるとして、動物愛護団体ノンヒューマン・ライツ・プロジェクトは2日、ブロンクス区のブロンクス動物園に対し、単独で飼育されている雌のアジアゾウ、ハッピーをエレファントサンクチュアリ(ゾウ専用保護施設)に移すよう求め、ニューヨーク州オーリンズ郡の裁判所に申し立てた。

 1977年から同園で飼育されているハッピーには、25年間にわたりパートナーの雄、グランピーがいた。しかしグランピーは2002年に負傷がもとで死んだ。その後パートナーになった別の雄、サミーも06年に死に、以来、ハッピーは他のゾウとも隔離され単独飼育されている。
 同団体はゾウも人間と同等の権利を持つと主張。ハッピーが他のゾウと触れ合い、自由に歩き回るために、広大で豊かな環境に移すべきだと訴えている。ゾウは群れを成し1日に20マイル(約32キロメートル)以上歩く習性があるが、動物園で歩ける距離はその1%にも満たないという。
 一方で同園側は「ハッピーは健康で穏やか。慣れ親しんだ環境から引き離すのは最善ではない」と指摘。飼育の専門家もハッピーにはストレスの兆候は見られないと判断したという。
 エレファントサンクチュアリは、米国内にはテネシーやジョージア、カリフォルニア州などにある。

ブロンクス動物園のフェイスブックより