ファッションライターあやこんぶの“おしゃクロ!” Vol.48 20周年を迎えたフェアトレードUSA Business with a Purpose

創設者でCEOのポール・ライスさん(左)

 開発途上国の生産者支援を目的に、適正価格での取引の基準を設け、それに沿った貿易をしていることを示す認証ラベル、フェアトレード。この言葉が広く認識されるようになり、消費者の意識に変化が芽生え、その考えが定着してきたことを肌で感じる今日このごろ。
イメージアップを図る企業には格好の枕詞とはいえ、企業利益や消費者の嗜好、価格競争のためだけでなく、生産者や地球環境のためにより良いものを選びたいとの感覚と生産背景にも目を向ける意識が大きく育っていることには間違いありません。

©Fair Trade USA

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 カリフォルニア州オークランド市を拠点とした非営利の認証団体、フェアトレードUSA(日本におけるフェアトレードを認証する国際団体とは別組織)の20周年を記念したイベントが先ごろ開催されたので、参加してきました。同団体のそもそものはじまりは、創設者でCEOのポール・ライスさんが22歳のときに中米ニカラグアのコーヒー農家で体験した畑仕事です。 現在、フェアトレードの認証や認証商品を取り入れようという動きは世界中に広がり、1300以上のブランドとの共同事業の下、生産者の収入は総額5億ドル(約561億2300万円)以上増えたといいます。また、2017年だけでも毎日2つの新商品がフェアトレードとして新たに認可され、世に出ていくとのことです。例えば、ハリウッド俳優のヒュー・ジャックマンによる非営利のコーヒーメーカー、ラフィングマンコーヒーの豆、ボトル入りアイスティーのオネストティー、パタゴニアのウエットスーツ、ウエストエルムの家具などが挙げられます。フェアトレード対象商品にはコーヒーやカカオ関連食品を中心に、お茶、ココナッツ、シーフード、加工食品、アパレル、ホームグッズなど約30分野に上ります。スターバックス、ホールフーズマーケットなど大企業がキーブランドとして市場をけん引し、フェアトレードムーブメントを盛り上げています。

©Fair Trade USA

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ハーレムに新風を吹き込んだレストランターのマーカスサミュエルソン氏 ©Fair Trade USA

授賞式のプレゼンターをつとめたアンバー・バレッタ(中央)とファウンダー&CEOのポール・ライス氏 ©Fair Trade USA


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