クイーンズ住み続ける人多い理由 ブロードチャネルは47%が地元民

【15日付amニューヨーク】1978年から83年にかけて出生し、2015年時点においても生まれた地域に住み続けている住民がクイーンズ区に目立って多いことが、米国勢調査局とハーバード大学、ブラウン大学が共同で作成した人口移動に関する地図「ジ・オポチュニティ・アトラス」から分かった。
2015年時点で34歳から40歳で、生まれた地域に住み続ける住民は、ニューヨーク市内では平均20%に過ぎないのに対し、同区南部ジャマイカ湾の島、ブロードチャネルでは47%に達している。その1人、ショーン・タブリディーさん(35)は、公有地の購入問題や橋の通行料廃止運動などで住民の結束が強いからではないかと推測する。「祖父母の代からの知り合いが多く、忠誠心のようなものがある」と話す。
成人しても住み続ける人が多いのは他に、同区アストリアの東端、ディトマスブルバード北や、同南東部のノーザンブルバード北で46%、フラッシングのキングスハイウェー南で44%などとなっている。
ブラウン大学で経済学を教えるジョン・フリードマン准教授は、一般論として、住民が移動しない地域では、高校の卒業率や収入など「成功の指標」が低い傾向にあると分析。「子どもたちは、自分を伸ばすことができないと、生まれ故郷に居残るといった相関関係がある」と指摘している。