【15日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市の公立校に通うホームレスの生徒の数が、2017年秋から今年春までの昨学年度、史上最多の11万4659人に達したことが分かった。全生徒約110万人のうち約10%に当たり、ニューヨーク州の州都オールバニ市の人口を超えた。子どもを支援する非営利団体、アドボケーツ・フォー・チルドレンの集計から明らかになった。
集計ではホームレスの生徒を、シェルターや親せきの家、路上などで生活する、安定した住居を持たない生徒と定義。09年秋から10年春の学年度には6万9244人だったが、その後も増え続け、昨学年度は前年より3097人増えていた。
過去4年にわたり、市の公立校約1800校のうち144校で、生徒の約3分の1がホームレスで、最も多かったのはブロンクス区の第10学区だった。同学区のキングスブリッジ国際高校では、生徒の約44%が過去4年間にホームレス生活を経験していた。
市内のシェルターで暮らすホームレスの生徒は昨学年度、年間で平均30日、授業を欠席。成績も伸び悩む傾向にあるという。
シェルターで暮らすホームレスの生徒の中には遠方の学校に通う生徒もいる。就学生徒を持つホームレスの家族のうち、家族の中で最年少の子どもが通う学校と同じ行政区のシェルターに住む家族は約半数にとどまった。市は今秋から、より多くの家族を最年少の子どもが通う学校から5マイル(約8キロ)以内のシェルターに移す取り組みを開始した。
イリノイ州シカゴ市の公立校の昨学年度のホームレスの生徒の割合は約5%で、カリフォルニア州ロサンゼルス市の16学年度の割合は約3%だった。