【15日付ニューヨークタイムズ】ロングアイランド・サフォーク郡のショアハム原発を廃炉に追い込むなど、環境保護に貢献した弁護士、アービング・ライクさんが3日、同郡ウエストアイスリップの病院で心不全のため亡くなった。93歳だった。
ライクさんは1924年ブルックリン区生まれ。ピアニストを目指したこともあったが、ニューヨーク市立大学で学士号を取った後、コロンビア大学法科大学院を卒業した。50年から弁護士。結婚後にロングアイランド南部、ファイヤーアイランドのデューンウッドに新居を構えた。62年、同島バリアビーチの高速道路建設計画に反対し、環境保護活動への関与を始めた。
60年代半ばごろから、ショアハム原発建設に反対するロイド・ハーバー・スタディー・グループの法律顧問に就任。25年間にわたり、ニューヨーク市から60マイル(約97キロメートル)の近距離にある原発の危険性を訴えた。同原発は60億ドル(約6730億円)をかけて84年に完成。ペンシルベニア州スリーマイル島原発や現ウクライナのチェルノブイリ原発で事故が発生し、反対運動が高まりをみせると、運転を開始することなく89年に廃炉となった。
ライクさんは、死の間際まで、ファイヤーアイランドの環境保護、ロングアイランド沖の海底油田掘削反対などに取り組んでいた。