ラテン系妊婦の間で早産児が急増 トランプ移民政策のストレスが原因か

 【18日付amニューヨーク】ニューヨーク市保健精神衛生局(DOH)は17日、トランプ政権の移民政策が、市内のラテン系妊婦の間で早産児の急増をもたらしているとの調査結果を発表した。
 DOHは、ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院と共同で、2015年9月1日から17年8月31日までの出産記録23万105件を集計。トランプ氏の候補者指名以前、指名から就任、それ以降の3期間に分けて分析した。それよると、メキシコおよび中南米諸国出身のラテン系妊婦の間で、妊娠37週目以前に誕生する早産児の割合が、就任の前後で7.7%から8.2%に増加していた。同期間の白人妊婦は5.2%から5%へと減少していた。全人種では7%から7.4%に増加していた。
 調査をまとめた同大学院のナンシー・クリーガー博士は、トランプ政権下でラテン系移民を「標的とした」国外退去処分や憎悪犯罪が増加し、「社会的・政治的ストレス」となって妊婦に影響したのが早産児急増の原因だと推測している。
 早産児は体が小さく、機能も未熟なことが多い。シャーレーン・マックレイ市長夫人とDOHはこの夏、早産や乳幼児死亡率の減少を目的に、妊婦に対する総合的な健康支援を行うと発表。DOHのオキシリス・バーボット暫定局長は声明で、「人種や在留資格に関係なく、市民は健全な妊娠と出産を行う権利がある」と述べた。