路面電車「BQX」に懐疑 クイーンズとブルックリン結ぶ計画

 【21日付amニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長が推進するブルックリンとクイーンズ区を結ぶ路面電車「BQX」建設計画に対し、市議会議員らから懐疑的な声が上がっている。
 BQXが走るのはブルックリン区のレッドフックからクイーンズ区のアストリアまでの 11マイル(約17キロメートル)の沿岸地域。時速12マイル(約19キロメートル)で、1日約5万人の移動時間を最長で14分間短縮できると期待されている。ただし、予定時間内での走行には、他の交通から分離されたBQX専用道路や、交差点での優先信号などが必要だという。
 市長は当初、BQXの開通により、路線周辺の不動産価値が上昇し税収が増えることで費用が賄われると考えていたが、予想されるBQX設置費用が27億ドル(約3043億円)に拡大したため、半分は連邦政府からの助成金が頼りだ。
 同計画の着工予定は市長退任後、数年先の2024年。一部の議員らは計画実現は困難だと考えている。市議会のジミー・ブレイマー議員(民主)は「(移動時間短縮には)バス路線の拡大や増便の方が迅速に対応でき、効率的で安上がり。実現するか定かでない計画を待てない」と批判。カルロス・メンチャカ議員(民主)らは「市民が望まない計画に市の予算を浪費できない。市民の意見を聞くべきだ」と主張している。路線の大部分が地下鉄G線と重なり、恩恵は少ないとの批判もある。

BQXの完成イメージ図
(photo: New York City Economic Development Corporation)