今回は「寝る姿勢」について。身体に痛みがあってなかなか寝つけない、起きたときに体が硬い、重い、などの症状がある人は、寝ているときの姿勢を見る必要があります。正しい寝方は、痛みを和らげ、睡眠の質を高めることにもつながります。
首、背骨、腰などあらゆる関節のゆがみを避け、できるだけ体を中立(Neutral)に保つことが大切です。そのため、負担のかかりやすい部位に枕やタオルなどを使ってうまくサポートするとよいです。
<仰向け>
①腰や背中、股関節への負担が気になる人は、枕またはタオルを1つ両膝の下に敷くとよいです。図のようにしっかりとお尻の付け根から膝関節の下までサポートさせましょう。
②首や肩への負担を感じる人は、枕で首や肩をサポートします。肩が枕の上に乗らないように気をつけましょう。枕と首の間に空間を作らないことがポイントです。どうしても空間ができる場合は首が反らないように気をつけながら、小さいタオルで空間を埋めましょう。
<横向き>
①背骨が真っ直ぐになるように、体の中心であるウエスト部分をサポートしましょう。ウエストが骨盤よりも細い場合は腰部の背骨が曲がり、大きく負担がかかります。適度に折ったタオルや小さな枕をウエストの下に挟んで背骨を真っ直ぐに保ちましょう。
②股関節への負担を軽減するのには、枕を足の間に挟むとよいです。太もも全体と膝がしっかりと枕に当たるようにし、太もも全体をサポートすることが大切です。
③首と頭のサポートには枕が最適。肩が枕に乗らないように気をつけながら、首と枕の間に空間を作らないように、枕はしっかりと肩に当たるくらいまで下げます。肩幅が広いまたは枕が薄すぎて首と枕の間に空間ができてしまう場合は、バスタオルを適度に折ったものを枕の下の重ねましょう。枕が厚すぎて首が曲がる場合は薄めの枕を使うか、バスタオルを適度に折ったものを枕替わりにすることもできます。
山並絵美 PT, DPT
ミシガン州立大学で運動学を専攻。ロングアイランド大学理学療法学博士号取得(Doctor of Physical Therapy)。自身も学生時代にバレーボールやバスケットボール、サッカーを経験し、スポーツリハビリを得意とする。現在は、FuncPhysioで
ファンクショナル・マニュアル・セラピーの習得を目指し勤務中。
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